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【第13回】年間500万円超の費用がかかる「親子留学」…贅沢か、投資か?(前編)


海外生活カウンセラーの北原です。
弊社でもお問い合わせの多いお金の問題。今回は、具体的な費用とその価値についてお話ししていきます。

 

 

留学を「手段」として考える
親子留学の成功術について触れる際には、そもそも「成功」というものをどう定義するかが重要です。結論からいうと、この「成功」は、家族ごとの価値観によって異なります。留学の目的や重要度などの優先順位を整理する必要があり、その目的が達成できるか否が鍵となるのです。

そのため、「なぜ留学なのか」が非常に重要になってきます。留学のご相談を受ける際に気をつけているのが、留学を目的化せずに手段として考えることです。カウンセリングでは、どんな目的や目標があって、その実現のためにどんな手段をとるべきか、その上で「留学」という選択肢が適切であるかをお客さまと確認していきます。何を優先するべきか考える中で、「国」「都市」「ビザの種類や組み合わせ」「学校」が自然と絞られてきます。

とはいえ、最初にご相談いただくタイミングでは、お客さまも全体像が見えていないことがほとんどです。そのため、電話や来店を通じて、お考えやご希望、ご予算など、ゆっくりとお聞かせいただく時間を大切にしています。

意外と多いのが、「考えたこともなかった」「そんなやり方があるのですね」という声。そもそも留学に関する問い合わせは、何かしらで見聞きした情報をもとに、具体的な国などのイメージを持った状態でないとできないものです。そのため、お問い合わせをいただいた時点ではカナダを希望しておられたお客さまが、目的や優先したいことを整理した結果、別の国になるということも少なくありません。

 

 

留学の「成功」は当然家族ごとに異なる

 

 

親子留学の初期費用「ビザコンサルタント費」とは?
長期の親子留学は、ある程度の金額が予算として必要です。この金額が消費で終わるのか投資になるのか、またどのような価値があるのかは、「目的」と「優先順位」が整理できているかということに関わります。

これまでも学費や滞在費などについて触れていますが、あらためてオーストラリアで親子通学するケースを例に少し整理をしてみます。

【継続的にかかる費用の例】

お子さまの学費(年間):100万円~300万円

住居費(年間):180万円~360万円

留学医療保険(一人あたり年間):23万円~25万円

生活費等(年間):120万円

【初期費用の例】視察代を除く

航空券(一人あたり・往復):約15万円

ビザ申請費(一人あたり):約5万円

ビザコンサルタント費(家族あたり):5万円~15万円

賃貸物件の仲介手数料:約15万円~30万円(賃料の45週間程度)

渡航後の案内・同行(車両手配込):5万円~15

(※1AUDあたり75円レベルで試算)

上記を参考にすると、初期費用を除く現地での予算は、親子で通学する場合、年間約500万円~800万円程度になります。親が通学する際には、通学する学校にもよりますが、年間80~120万円程度です。その他、現地で車を購入したり、現地サポートをつけるともう少し予算があがります。

「ビザコンサルタント費」という項目に疑問を抱く方もいるかもしれません。これは、家族で渡航される場合、ビザ申請が少し複雑で注意が必要だからです。ビザの承認や発給を行う各国の移民局は、家族で長期滞在を行う際に移民目的でないかを厳しくチェックします。入国の理由、滞在の目的、帰国後のプランが一貫していることが非常に重要です。

また、片親の同伴の場合、夫婦間で同意しているかなどもチェックされ、離婚しているケースでも、子どもの血縁上の父親に同意書を求めることもあります。日本のような単独親権を認めない国もあり、その場合、通常のビザ申請とは異なる申請を出すこともあります。このように、国が持つルールと、ご家族の状況の組み合わせによってビザ申請のポイントが異なるのです。したがって親子留学では、こうしたケースを多く扱うビザの専門家(ビザコンサルタント)に申請を代行してもらうことが一般的なのです。

(次回に続く)

 

 

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