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海外生活カウンセラーの北原です。
前回好評だった「マレーシアの親子留学」。今回はビザの注意点や住宅事情についてお話しします。
長期滞在ビザMM2Hのメリットと注意点
マレーシアに親子で留学する際には、ビザは大きく2つ考えられます。
まず1つ目は、お子さまが学生ビザを申請し、親は保護者ビザで帯同するケースです。学校側が入学の手続きと併せて学生ビザと保護者ビザの手続きをしてくれるため、比較的シンプルです。保護者ビザの申請ではローカルスポンサー（マレーシア人の身元引受人）を見つけたり、現地の保険に加入を求められることがあります。
ただし、学校はもともとビザ申請を専門にしていないため、（複雑な家族構成のケースなどでは）保護者ビザ申請にあまり積極的ではないことが多く、2つ目の選択肢である長期滞在ビザを申請するケースが多くなります。このビザは、家族全員を申請に含めることができるMM2Hと呼ばれるもの。申請者（両親のどちらか）が資産と収入の証明を行い、現地の金融機関に一定額を預金することで10年更新型の居住ビザが発行され、申請には配偶者や扶養家族を含めることができます。また、マレーシアに居住しなくても比較的簡単にビザを維持することができるのがメリットです。「定期的にマレーシアに行かなければならない」といった条件がなく、滞在予定のないご家族を申請に含めることも可能です。
学校によっては、保護者のビザをMM2H取得に指定していることがあるのですが、一点気をつけたいのが、MM2Hで留学する際の留学手続きとビザ手続きのタイミングです。
「MM2Hビザを数カ月前に申請しました。学校から入学許可も降りて来月から学校ですが、まだMM2Hビザの承認が下りていません。どうしたらいいですか？」
というお問い合わせを何度か頂戴したことがあります。この場合、学校に早急に学生ビザ申請に切り替えをお願いするか、渡航を遅らせるしかありません。MM2Hビザは申請を提出して、仮承認までに「半年～10カ月程度」かかります。仮承認が下りた後、6カ月以内にマレーシアに1週間ほど滞在していただき、健康診断や口座開設を済ませ、最後に現地金融機関に必要な預金の送金を行う必要があります（渡航の予定がある方は、このタイミングで不動産購入・賃貸の内覧に行かれる方も多いです）。
ビザの発給はここまでが終わってからです。学校手続きだけを留学業者にお願いして、ビザはまた別の業者にお願いしてしまうケースで、このビザ発給までの時間や渡航前にやっておくべき手続きに漏れが発生するなどのトラブルが目立っています。
※2019年9月時点で、MM2Hビザは申請から仮承認までに約10カ月程度要している状況です。
広いコンドミニアムの月々の家賃が10万円程度
学校によっては学費が欧米諸国と変わらないものの、住居費・生活費においては欧米諸国と比較すると圧倒的にコストメリットがあるマレーシア。
駐在者や日本人が多く、快適に生活できる人気エリア（モントキアラなど）でも、親子2名でコンドミニアムの月々の家賃が10万円程度におさまってしまいます（日本の都内で40～50万の物件に12～14万で住めるようなイメージです）。
商業施設にアクセスの良い住居を選ばれ、昼間はショッピングモールでお買い物を楽しまれたり、プールやジムなどが充実したコンドミニアム内でゆっくりと過ごされる親御さまが多く、比較的時間に余裕をもった過ごし方をされる傾向にあります。
日本へも行き来がしやすく、クオリティーに対して安価な不動産を購入できるマレーシアは、MM2H（マレーシア・マイ・セカンド・ホーム）の名前の通り、海外の身近な第2の拠点を考えるご家族に人気を集めています。
クアラルンプールにあるモントキアラ地区など、日本人にも人気の都市をもつマレーシア
憧れの留学から「ライフスタイル」を選択する時代へ…
以前は欧米系の外国人駐在員のお子さまが多く通っていたマレーシアのインターナショナルスクールですが、近年ではアジア諸国の富裕層のお子さまが留学に訪れるようになっています。
昨今、インターネットの発達によって、情報の流れもヒエラルキー型からフラット型に変わっていて、それにより国の成長モデルや成長スピードも大きく変わり、多種多様な選択ができる時代になりました。
ご両親のワークスタイルや収入モデル、お子さまへの教育スタイルなど、ライフスタイルそのものが多様化している、というのが私がお客さまをお手伝いする中で感じるトレンドの変化です。
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