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【第14回】年間500万円超の費用がかかる「親子留学」…贅沢か、投資か?(後編)


海外生活カウンセラーの北原です。
渡航前に留学の目的を明確化することはとても大切なこと。しかし実際に現地で得られる可能性もまた、無限に広がっています。

 

 

親子留学の後、渡航前に見えなかった選択肢に気づく
弊社のお客さまの滞在は比較的長期で、2年以上がほとんどです。お問い合わせやご相談の時点で「できるだけ長く行きたい」というご希望があることが特徴かもしれません。親子留学の後の進路は、本当に多種多様です。

お子さまだけ現地の学校にそのまま進学し、付き添っていたお母さま(お父さま)は帰国するパターンもありますし、帰国子女枠などを使って帰国後に日本で進学する方も多くいらっしゃいます。

また中には永住権取得により、生活の拠点自体を移されるお客さまももちろんいらっしゃいます。親子留学は、日本に戻ってからの進学や進路を定めてしまうより、留学後に将来のビジョンや可能性が広がり、渡航前に見えていなかった選択肢に気づいていくことが多いです。

渡航前にできるだけ選択肢を広げながら、目的に合わせてカウンセリングします。しかし、前述した渡航後の現地で得る経験や可能性を考えると、まだ余白だらけであることも事実です。「目的を定めつつ選択肢を増やす」というのは矛盾しているようですが、それだけ「実際に行くこと」「行動すること」が作り出す可能性は大きいものです。


渡航前の計画ももちろん大事だが、現地で得たチャンスと可能性をいかに掴むかが重要




アメリカには小学校の時から、全米の生徒が受ける試験があるのですが、その中で成績がいいと、CTYのテストを受けませんかというオファーが来ます。CTYは、「Center for Talented Youth」の略で、1979年にジョンズ・ホプキンス大学内に開設され、同一年齢層トップ5%までを対象とした才能児のための米国屈指の教育研究機関です。

アメリカに留学し、そのまま移住されたご家族で、お嬢さまがCTYのオファーをもらうことができて、テストに合格したケースがあります。CTYのテストに合格すると、提携大学を会場にしたサマープログラムや、世界50か国以上をネットワークしたオンラインプログラムを受けることができます。普通の教育だとうまくいかないクラスの生徒さんたちなので、個別のプログラムが組まれます。

アメリカは、優秀な人材をスクリーニングし、コミュニティとして築き上げるのが得意な印象がありますが、このご家族はアメリカに実際に行くまでこうした仕組みをご存知ではありませんでした。これは、留学によって新たに開かれた「可能性」でもあったわけです。

親子留学の成功は、最終的にはご家族が渡航後に得るチャンスの大きさや、そこでの頑張りにかかってくるものでもあります。留学で獲得された新しい環境の中で、それらのチャンスをうまく掴み、活かすことができると、親子留学は渡航前に考えていた「成功」以上のものになるのかもしれません。

 

 

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